宝塚パチンコ店条例事件(最判平成14年7月9日)

解説動画の下に、判例の内容を記載します。学習の参考にしてください。

2022.1.22UP
行政書士試験 判例編 宝塚パチンコ条例

【事案】
宝塚市長が、宝塚市パチンコ店等、ゲームセンターおよびラブホテルの建築等の規制に関する条例8条に基づき、宝塚市内においてパチンコ店を建築しようとするYに対し、建築工事の中止命令を発したが、Yがこれに従わないため、X(宝塚市)がYに対し同工事の続行禁止を求める民事訴訟を提起した。


【判旨】
国又は地方公共団体が提起した訴訟であって、財産権の主体として自己の財産上の権利利益の保護救済を求めるような場合には、法律上の争訟に当たるべきであるが、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とするものであって、自己の権利利益の保護救済を目的とするものということはできないから、法律上の争訟として当然に裁判所の審判の対象となるものではなく、法律に特別の規定がある場合に限り、提起することが許されるものと解される。」

「そして、行政代執行法は、行政上の義務の履行確保に関しては、別に法律で定めるものを除いては、同法の定めるところによるものと規定して(1条)、同法が行政上の義務の履行に関する一般法であることを明らかにした上で、その具体的な方法としては、同法2条の規定による代執行のみを認めている。また、行政事件訴訟法その他の法律にも、一般に国又は地方公共団体が国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟を提起することを認める特別の規定は存在しない。したがって、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たらず、これを認める特別の規定もないから、不適法というべきである。」